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冨嶽三十六景
隅田川関屋の里
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葛飾北斎『冨嶽三十六景 隅田川関屋の里』塗り絵 PDF
“かへるさの道に関屋の里もあれな、隅田河原のあかぬながめに”と古歌に詠まれた関屋の里は、足立区千住のあたりに相当する。今は煤煙に汚れた街並みであるが北斎のころはまだ古歌と変わらなかったらしい。
一面が芦に覆われた隅田河原に、堤が一本蛇行して走り、右端には奉行の御触れらしき掲示板が見え、注進であろうか、大小を差した三人の武士が、早馬で江戸の方角をめざす。かなたには、例のごとく泰然たる富士の姿である。人物が、同じ形として描かれているのをこの図の構成上の欠陥として指摘するむきもあるが、むしろ逆に、同型の反復によって、見る者の視点を遊動させる北斎一流の機智をここに見るべきだろう。人物の顔をわざと隠し、笠の円の反復を富士の三角形に対置させたところなども、かれのいわゆる規矩方円説を連想させて興味深い。(辻)
『原色日本の美術17 風俗画と浮世絵師』
東海道品川御殿山ノ不二
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葛飾北斎『冨嶽三十六景 東海道品川御殿山ノ不二』塗り絵 PDF
御殿山は品川宿の西方に位置した高台で、寛文年間(1661~73)頃には和州吉野から桜の苗木が移植され、飛鳥山、小金井堤、隅田堤などとともに、江戸庶民の観桜の名所として賑わいをみせた。特に御殿山の場合、花見と一緒に江戸湾を望めるのが人気のひとつでもあったという。この図も家族連れや酒宴に興ずる者などの様子とともに、満開の桜の彼方には波ひとつない江戸湾(東京湾)や、富士の山容が望まれ、のどかで華やいだ雰囲気が横溢している。
『北斎クローズアップⅣ 風景画-名所絵からの昇華』