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縁先物語
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鈴木春信「縁先物語」塗り絵 PDF
肩を抱き手首をおさえて少年にささやきかける年かさの女は、障子の陰からのぞき見る娘の、乳母か侍女というところであろう。主人と仰ぐ乙女のみずからは打ち明けかねる慕情を、代わって届ける恋の仲介者とはなったものの、なまめかしい年増女の風情をかくしきることはできない。まだ前髪をのこす紅顔の若衆に、熟しきった大人の口説を吹き込んで誘惑してでもいるかのような、あやしいそぶりがうかがえる。萩の花が咲く秋の縁先という日常的な舞台の上で、ただならぬ恋の情趣を纏綿とうたいあげるところなど、春信得意の絵画世界といえるであろう。(小林)
『原色日本の美術17 風俗画と浮世絵師』